とりあえず、FPの試験では、それぞれの法律が①どのように契約者を守るのかと、②どのような契約者を守るのかを押さえておけば大丈夫です。
そもそも法律の目的は?
<金融商品販売法>
金融商品販売法は、金融商品販売業者(銀行や証券会社等)が金融商品を販売する際には、金融商品がもっているリスク等の重要事項について、顧客に説明する義務がある旨を定めています。
金融商品販売業者に適正な勧誘を促し、顧客がリスクを認識して金融商品を購入できるようにして、トラブルを防止する目的があります。
<消費者契約法>
消費者契約法は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差を考慮して、弱い立場の消費者の利益を守る事を目的とした法律です。
どのようにして契約者を守るの?
<金融商品販売法>
金融商品販売法の定めによると、もし、金融商品販売業者が説明義務を怠り、そのために顧客が損害を被った場合には、業者に損害賠償責任が発生します。元本割れする可能性がある事を内緒にして顧客が損をすれば、金融商品販売業者がその補填をしなくてはいけないという事です。
但し、不適切な勧誘があった事を立証する責任が消費者にあるので、書類にチェックを付ける事を求められても、むやみに応じないことが大切です。実際に金融商品の購入契約を結ぶにあたっては、「きちんと説明を受けて理解しました」という欄には、きちんと理解した上でチェックを付けなくてはいけません。
<消費者契約法>
金融商品販売法の定めによると、消費者は、不当な勧誘によって契約を結んでしまった場合、それを取り消す事ができる事になっています。また、消費者の利益を一方的に害する条項は、無効になります。
金融商品販売業者が嘘や誤解を招く説明をして契約をしてしまったり、自宅に居座られたりどこかに監禁されてやむなく契約した場合には、その契約は無かったことになる訳です。
どのような契約者を守るの?
<金融商品販売法>
金融商品販売法では、機関投資家などのプロを除く、金融商品に詳しくない人を守ります。金融商品に詳しいとは限らない属性の人を守ると覚えればOK。個人は金融商品に詳しいとは限らないですし、大工さんや八百屋さんのような事業者も、みんなが金融商品に詳しいとは限らないです。
つまり、金融商品販売法では、個人と事業者の両方が保護の対象となります。
<消費者契約法>
消費者契約法では、その名の通り消費者を守ります。契約(法律)に詳しいとは限らない属性の人を守ると覚えればOK。個人は契約に詳しいとは限らないですが、日常的に契約を行う事業者は、契約に詳しくないといけないはずです。
つまり、消費者契約法では、事業者を除く個人が保護の対象となります。
結論
<金融商品販売法>
金融商品販売法のキーワードは、「損害賠償請求」です。なので、金融商品販売法に則り契約を取り消す、のような出題肢が出たら間違いです。
それから、個人と事業者の両方を保護します。
<消費者契約法>
消費者契約法のキーワードは、「契約の取り消し」です。なので、消費者契約法に則り損害賠償を請求する、のような出題肢が出たら間違いです。
それから、個人は保護されますが、事業者は保護されません。
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