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配当金の課税方法の選択

 配当金の課税方法は、原則として総合課税となっていますが、申告分離課税や申告不要を選択する事も可能です。今回は、それぞれどのようなものなのかを、ポイントを押さえて分かりやすく説明したいと思います。
*なお、下記説明文では復興特別所得税は考慮していません。

<ポイント1>源泉徴収
 配当金が支払われる際には、利子所得と同じように、所得税15%、住民税5%が源泉徴収されます。ですが、利子所得は源泉分離課税であるのに対し、配当金は源泉分離課税でないという点が大きく違います。
 つまり、利子所得は課税標準に算入されない(所得税の計算上、所得が無かったことになるイメージ)のに対し、配当金は源泉徴収される前の金額が配当所得として把握されるのです。ここのイメージは、まずしっかりと持ってください。

<ポイント2>二重課税
 個人の所得である配当金は、元を辿れば法人の税引き”後”の利益です。つまり、法人が稼いだ利益に法人税が課税された残りの金額が配当金に形を変えている訳で、ここにさらに課税する事は、税制が嫌う二重課税に当たるのです。 そこで、配当金を受け取り税金が源泉徴収されてしまっている個人には、何かしらのメリットを与えましょうという事になっているのです。
 つまり、配当金の課税方法の選択は、メリットの選択であると言えます(ちなみに、このメリットは1個だけですから、他の選択肢と被りません)。


<総合課税のメリット>
 総合課税した場合、所得税額の算出の基となった額(課税標準や課税所得)に、配当所得が含まれています。そこで、配当控除という税額控除のメリットを受ける事が出来ます。
 還付額は、配当所得の12.8%(課税総所得金額等の金額が1千万円を超える部分については6.4%)です。

<申告分離課税のメリット>
 申告分離課税を選択した場合、株式等に係る譲渡損失と損益通算する事が出来ます。つまり、源泉徴収された税額(20%)の還付を受ける事が出来るのです。

<申告不要のメリット>
 申告不要を選択した場合、源泉徴収で課税関係が終了し、配当控除や損益通算のメリットはありません。
 但し、収入が無かったものと見なされますので、扶養要件の年収の計算で配当所得が算入されないメリットや、高額所得者の場合、総合課税(累進超過税率が適用される)よりも納付税額が少なくなるメリットがあります。

 なお、特定口座を利用すれば、自動的に損益通算されて、申告(配当控除の適用)と申告不要(収入金額に不算入)を選択する事が可能です。


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