「事前のヒアリングでどこまで情報を頂くか」と言うのは、しばしば同業者の中で話題になります。
それで、一番多い答えが、「最低限だけ集めて、後は信頼度が高まってから聞いたり、空気を読みながら聞き出す」みたいなものです。
まぁ、それも一つの方法なのかもしれませんが、「それでお客様の悩みが解決できるんですか?」と、疑問に思うのは私だけでしょうか?
確かに、無料相談とか簡易な相談だとそれでも良いのかもしれませんが、本来、そういうのは、保険や投資信託、不動産等を売りたい人のやり方です。
何かを売りたかったら、適当にデータを集めて、巧みな営業トークで誘導して、”それっぽい” 「将来の貯蓄の予想表」(FPの専門用語では「キャッシュフロー表」と呼ばれるもの)を根拠にセールストークを展開すればOKなんですから。
しかし、非販売系のFPは、中立で客観的な視点でアドバイスを行って、お客様の悩みを取り除くのが仕事です。
それには、”きちんとした”「将来の貯蓄の予想表(キャッシュフロー表)」を根拠に説明する事が絶対条件です。
そして、”きちんとした” 「将来の貯蓄の予想表(キャッシュフロー表)」を作るには、きちんとしたデータが必要です。
なので、きちんとしたデータを頂く事もまた、良い仕事をする上での絶対条件です。
そこで、当オフィスがライフプランを作る場合は、事前ヒアリングシートで、資産と負債の状況と支出の詳細をお尋ねして、源泉徴収票か確定申告書のコピー、保険証券、固定資産税納税通知書、日本年金機構の委任状(給付額と加入期間を調べる為)の提出をお願いしています。
もちろん、強制ではなくて、データが不足している場合は概算しますが…。
そんな事を言うと、同業者から返ってくる定番の答えが、「そんな事をして、お客様はちゃんと教えてくれるんですか?」とか、「それだとハードルが高くてお客様を逃がしてしまうのでは?」というもの。
(経験が無いor浅い人ほど、同じ事を仰る傾向が…)
ただ、それがナンセンスな問いだというのは、当オフィスが証明しています。
勿論、提供する個人情報の多さに驚いたお客様を逃がしている可能性はありますし、実際、「そんなに個人情報を出したくないけど相談する事は可能か?」というお問い合わせも頂きます。
それでも、事務所が回る程度の数のご予約を頂戴して、数ヵ月先まで予約待ちをお願いしている状況です。
それは何故か?
理由は簡単。 当オフィスには、真剣なお客様しかお越しにならないからです。
当オフィスの相談料は、(非販売系のFPにしては安いと言われますが)一般的には大金の部類に入ります。
それでも、当オフィスが選ばれるのは、お客様が真剣に考えているという証拠です。
それなのに、私たちFPが、「まずは最低限の情報だけください。後は信頼度が高まってから教えて頂ければいいですよ」なんて言ったら、失礼じゃないですか?
そんなの、本気でお客様と向き合おうとしている人間の姿勢ではありません。
当オフィスは、お客様の真剣な気持ちに本気で寄り添いたいと考えています。
ですから、それに必要なデータの提供をお願いしています。